クッシング クリス 「距離」

クッシング クリス 「距離」

シンガポール沖の船舶

モノクローム・ネガ・スキャン

今年は、妻の杉浦麻衣子とともに、遠方からこの写真展に参加しています。

私はイギリス人で、日本に五年間住んでいましたが、シンガポールに引越してくる前は、島に住んでいる感覚があまりありませんでした。いま、32階にあるオフィスの机から見える景色は素晴らしいです。空と水平線が混じりあうような海の上、毎日大小の数え切れないほどの船が浮かんでいます。海面近くに立つと水平線がよりはっきりと見えますが、水平線上には連なる船が重なり、空の断片で途切れるさまは、モールス信号の長点が続いているかのようです(―・―・―)。

この写真の撮影にあたっては、距離の雰囲気を伝えるために、圧倒的な海に取り囲まれる船を写しこむことにより、船を海から分離させることを意図しました。それだけでなく、見る人と写真の間に距離感を出す目的で、すんなりと入りづらい写真にするために、いくつか画質を変える工夫しました。一例をあげると、ソフトフォーカスにしたり、青フィルターの使用で靄を強調したり、ネガの現像時間を増やすことで粒子を荒くしたりしています。うまく出来ているといいのですが!

カメラ:ニコンF3HP

レンズ:Aiマイクロニッコール105mm f/2.8s、ニコンTC-14A&TC-201テレコンバーター、ケンコー・フィルターPro ND-4・サーキュラーPL・Y2黄・C8青

他:ペンタックス・スポットメーターV露出計、ベルボン・ウルトラルックスアイエル三脚

フィルム:イルフォードHP5+

薬品:イルフォードID-11現像液、水の停止液、TF-3定着液、富士フィルム・ドライウエル湿潤剤

ソフト:エプソン・スキャン、フォトショップCS

写真展について